車載ハーネスの軽量化を実現する有線/無線連携通信技術の研究開発について

神戸大学 SDGs

神戸大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

Carbon Neutral to2050 Carbon Neutral to2050

研究目的 Purpose

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自動車の車体を軽量化し、燃費(電費)を改善することで、カーボンニュートラルに寄与します。

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ワイヤーハーネスの削減で多くのメリット

自動車内にはさまざまな機器やセンサに接続し、電力や信号を伝えるワイヤーハーネスが張り巡らされています。近年ではカーエレクトロニクスの高性能化に伴い、この総延長は数 km に及び、軽自動車で10kg、普通車クラスで20kg、大型車では40kg以上の重量を占めています。そこを無線化することで車体を軽量化し、燃費・電費の削減とそれに伴うCO2排出量の削減が実現します。 また、ワイヤーハーネスが削減されることにより、配線空間減に伴う設計自由度の向上、線材・コネクタの削減による組み立て時・廃棄時の工数削減、廃棄量の削減、断線・線噛みがなくなる等、多くのメリットが生まれます。

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どうやって? Method

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本研究では、UWB/PLC統合車載ネットワークを開発し、ワイヤーハーネスの削減を目指します。

UWB(Ultra-Wideband : 超広域無線システム) 500MHz~11GHzと広い周波数帯域を使う無線方式。通信と同時に高精度な位置測定が可能。また、他通信システムに対して与干渉が小さい、干渉信号に対して耐性が強い、様々な周波数成分を持ち透過性が高い等の特徴を持つ。

PLC(Power Line Communication : 電力線通信) 電気エネルギーを供給する電力線を通信回線としても利用する技術。

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近年、スマートフォンでは、AppleのiPhone11以降に搭載されているUWBを利用した空間認識機能や、車載ではBMWの、iPhoneがUWBスマートキーになるBMW Digital Key Plus等、携帯端末や自動車へのUWB搭載が始まっています。本研究では車載UWBの普及による低コスト化を見越し、これをワイヤーハーネスの代わりとして活用すること(=車載ネットワークの無線化)で車体を軽量化し、燃費(電費)を改善することでカーボンニュートラルへ寄与することを目指します。 ただし国内ではUWBは場所によって気象レーダーへの干渉を避ける必要があることや、UWB同士を含む無線干渉によって通信誤りが発生することを考慮し、PLCを併用することでこれを補います。車両制御に重要なデータ通信については有無線の双方で並行して伝送することにより、ロバストな通信を実現します。

本研究では、UWB/PLC統合車載ネットワークを開発し、ワイヤーハーネスの削減を目指します。

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近年、スマートフォンでは、AppleのiPhone11以降に搭載されているUWBを利用した空間認識機能や、車載ではBMWの、iPhoneがUWBスマートキーになるBMW Digital Key Plus等、携帯端末や自動車へのUWB搭載が始まっています。本研究では車載UWBの普及による低コスト化を見越し、これをワイヤーハーネスの代わりとして活用すること(=車載ネットワークの無線化)で車体を軽量化し、燃費(電費)を改善することでカーボンニュートラルへ寄与することを目指します。 ただし国内ではUWBは場所によって気象レーダーへの干渉を避ける必要があることや、UWB同士を含む無線干渉によって通信誤りが発生することを考慮し、PLCを併用することでこれを補います。車両制御に重要なデータ通信については有無線の双方で並行して伝送することにより、ロバストな通信を実現します。

UWB(Ultra-Wideband : 超広域無線システム) 500MHz~11GHzと広い周波数帯域を使う無線方式。通信と同時に高精度な位置測定が可能。また、他通信システムに対して与干渉が小さい、干渉信号に対して耐性が強い、様々な周波数成分を持ち透過性が高い等の特徴を持つ。

PLC(Power Line Communication : 電力線通信) 電気エネルギーを供給する電力線を通信回線としても利用する技術。

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どれくらい? Amount

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UWB/PLCの活用により、車種に応じで2~10kgの軽量化が実現。 国内で年間26万klのガソリン消費と62万tのCO2排出の削減が見込めます。 電気自動車においては、節電・省エネ化により、バッテリーの軽量化も見込めます。 二輪車・航空機・鉄道などへの水平展開を考えれば、統合すると国内だけで100万t級のCO2の低減へ寄与できます。

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お知らせ Information

  • 2023.12.26UWB 車載無線ハーネスのプロジェクトが入賞しました
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    IUWB 車載無線ハーネスのプロジェクトで,太田先生が代表として入賞しました!

    ICT イノベーションフォーラムで特別講演が 1 月 23 日実施する予定です。
    ICT イノベーションフォーラム 2023

  • 2022.11.11IEEE 8th World Forum in Internet of Things(WF-IoT)2022に参加しました
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    IEEE 8th World Forum in Internet of Things(WF-IoT)2022にて、 右田 創が「Optimization of Polling-based MAC Schedule Considering Data Aggregation for In-vehicle UWB Wireless Networks」について発表いたしました。
    Accepted Papers (Workshops, Special Session, and Master/PhD Forum) Work-03

  • 2022.07.02論文が公開されました
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    Chikara Ohta, Taiyo Tanaka, Hajime Migita, Shuji Yamaguchi, Makoto Takenaka, Patrick Finnerty, Tomio Kamada, “A study on optimization of polling scheduling for in-vehicle UWB wireless networks ,” IEICE Communications Express, 2022 Volume 11 Issue 7 Pages 429-434
    doi: 10.1587/comex.2022XBL0060

  • 2022.05.20第66回 システム制御情報学会 研究発表講演会に参加しました
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    第66回 システム制御情報学会 研究発表講演会(GS11 予測・識別・最適化, 講演番号 254-3 (講演登録番号 3203))にて、 太田 能が「車載UWB通信のためのポーリングスケジューリング最適化と実装評価」について発表いたしました。

  • 2022.03.182022年電子情報通信学会総合大会に参加しました
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    2022年電子情報通信学会総合大会( 3月17日 B-15. センサネットワークとモバイルインテリジェンス Meeting37 B-15-42)にて、右田創が「車載UWB通信のためのポーリングスケージューリング最適化」について発表致しました。

  • 2022.03.182022年電子情報通信学会総合大会に参加しました
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    2022年電子情報通信学会総合大会(3月17日 B-15. センサネットワークとモバイルインテリジェンス Meeting37 B-15-41)にて、 田中太陽が「車載UWB通信のためのポーリングスケージューリング実装評価」について発表致しました。

お問い合わせ Contact

太田 能 教授

MAIL : ohta@port.kobe-u.ac.jp