研究目的 Purpose

自動車の車体を軽量化し、燃費(電費)を改善することで、カーボンニュートラルに寄与します。

ワイヤーハーネスの削減で多くのメリット
自動車内にはさまざまな機器やセンサに接続し、電力や信号を伝えるワイヤーハーネスが張り巡らされています。近年ではカーエレクトロニクスの高性能化に伴い、この総延長は数 km に及び、軽自動車で10kg、普通車クラスで20kg、大型車では40kg以上の重量を占めています。そこを無線化することで車体を軽量化し、燃費・電費の削減とそれに伴うCO2排出量の削減が実現します。 また、ワイヤーハーネスが削減されることにより、配線空間減に伴う設計自由度の向上、線材・コネクタの削減による組み立て時・廃棄時の工数削減、廃棄量の削減、断線・線噛みがなくなる等、多くのメリットが生まれます。

どうやって? Method

本研究では、UWB/PLC統合車載ネットワークを開発し、ワイヤーハーネスの削減を目指します。
UWB(Ultra-Wideband : 超広域無線システム) 500MHz~11GHzと広い周波数帯域を使う無線方式。通信と同時に高精度な位置測定が可能。また、他通信システムに対して与干渉が小さい、干渉信号に対して耐性が強い、様々な周波数成分を持ち透過性が高い等の特徴を持つ。
PLC(Power Line Communication : 電力線通信) 電気エネルギーを供給する電力線を通信回線としても利用する技術。

近年、スマートフォンでは、AppleのiPhone11以降に搭載されているUWBを利用した空間認識機能や、車載ではBMWの、iPhoneがUWBスマートキーになるBMW Digital Key Plus等、携帯端末や自動車へのUWB搭載が始まっています。本研究では車載UWBの普及による低コスト化を見越し、これをワイヤーハーネスの代わりとして活用すること(=車載ネットワークの無線化)で車体を軽量化し、燃費(電費)を改善することでカーボンニュートラルへ寄与することを目指します。 ただし国内ではUWBは場所によって気象レーダーへの干渉を避ける必要があることや、UWB同士を含む無線干渉によって通信誤りが発生することを考慮し、PLCを併用することでこれを補います。車両制御に重要なデータ通信については有無線の双方で並行して伝送することにより、ロバストな通信を実現します。
本研究では、UWB/PLC統合車載ネットワークを開発し、ワイヤーハーネスの削減を目指します。

近年、スマートフォンでは、AppleのiPhone11以降に搭載されているUWBを利用した空間認識機能や、車載ではBMWの、iPhoneがUWBスマートキーになるBMW Digital Key Plus等、携帯端末や自動車へのUWB搭載が始まっています。本研究では車載UWBの普及による低コスト化を見越し、これをワイヤーハーネスの代わりとして活用すること(=車載ネットワークの無線化)で車体を軽量化し、燃費(電費)を改善することでカーボンニュートラルへ寄与することを目指します。 ただし国内ではUWBは場所によって気象レーダーへの干渉を避ける必要があることや、UWB同士を含む無線干渉によって通信誤りが発生することを考慮し、PLCを併用することでこれを補います。車両制御に重要なデータ通信については有無線の双方で並行して伝送することにより、ロバストな通信を実現します。
UWB(Ultra-Wideband : 超広域無線システム) 500MHz~11GHzと広い周波数帯域を使う無線方式。通信と同時に高精度な位置測定が可能。また、他通信システムに対して与干渉が小さい、干渉信号に対して耐性が強い、様々な周波数成分を持ち透過性が高い等の特徴を持つ。
PLC(Power Line Communication : 電力線通信) 電気エネルギーを供給する電力線を通信回線としても利用する技術。

どれくらい? Amount

UWB/PLCの活用により、車種に応じで2~10kgの軽量化が実現。 国内で年間26万klのガソリン消費と62万tのCO2排出の削減が見込めます。 電気自動車においては、節電・省エネ化により、バッテリーの軽量化も見込めます。 二輪車・航空機・鉄道などへの水平展開を考えれば、統合すると国内だけで100万t級のCO2の低減へ寄与できます。
